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第15回 環境分析を志す方へ私的アドバイス

 この記事は、『おかめ様』よりいただきました。


 おかめ様の略歴
 50台の環境関連(下水道関係)の会社員です。
 分析主体の仕事のため、環境計量士・二種放射線・公害防止水質1等は取得しています。


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 私の場合は大学は農芸化学科を卒業していますが、はじめについた仕事は環境分析とは関係のない仕事でした。その仕事の中で、汚水処理・堆肥製造の部門の仕事をしていた関係で、下水処理関係の会社に転職して、プラント管理と環境分析の仕事につき、さらに環境分析が専門の部署に移動して今にいたっています。
 最初にいた会社ではどちらかといえばガテン系の仕事が多かったので、大特・大型の自動車免許や建機(ショベルやブル)・ガス溶接・甲種危険物・ボイラー2・衛生管理者などの免許を取りました。転職後は下水道維持管理・2種放射線・環境計量士・作業環境測定士・公害防止水1・ダイオキシン・技術士一次をとりました。
 必要に迫られてとったものがほとんどですが、実際には割合短期間に集中してとっています。


 私が今思っていることは、資格は必要に迫られる前にとっておくべきだったということです、必要にせまられて取得する場合は1回か多くても2回に受験で取得する必要が出てしまうため結構プレッシャーをかけられます。
 幸い、環境計量士と甲種危険物は2回ほかは1回で取得できましたができればもう少し余裕のある中で受験したかったと思います。社会に出て、仕事をしながら資格を取得する場合は時間的にかなりきついのでおのずと試験に受かるために少ない時間で有効に勉強するということになります。
 基礎知識をつけるのは学生の期間しかないと思います。現在学生に方はしっかりと知識をつけてください。絶対無駄にはなりません。
 そして、できれば資格試験にチャレンジしてください、実務経験の要らないまたは講習会程度で受験資格を得られる試験も多くあります。公害防止管理者・技術士一次試験・環境計量士などは、分析関係の就職時にアピール効果が高いと思います。


 実際に仕事ができることと資格をもっていることは「=」ではないのですが、法律上も必要ですし、試験に受かったということで一定の能力の証明になります。分析作業ができることはあたりまえの前提条件でさらに資格をもっていることが必要です。


 実際の環境分析関係の仕事の例として計量検定所などのように分析を仕事にしている事業所では、まず分析コストが一番重要になってきます。
 分析コストで一番大きな割合を占めるのが人件費です。コストを下げるため、自動化できる部分は自動化し、試料前処理のように単純な分析はパート契約社員の人件費が安い人間でこなし、分析機器の管理・数値の管理の技術経験・資格の要る仕事だけが正社員という場合がほとんどと思います。年齢構成も若い人が多く、年配者の技術者は免許を持って分析全般を人事・も含めて管理する管理者の立場です。逆にいえば、長く分析会社に勤めるためには管理職となるための資格と訓練が必要となるということです。
 分析実務の訓練としては船乗りの人の訓練が帆船を使って行われるように、環境分析も基本は手分析です。自分の手で分析を行うことで、機械を使った分析でも問題があった場合に問題点を理解しやすくなります。
 また、現在使用する分析機器のほとんどがPC制御になっていますし、データ整理・報告書もPCで作る場合がほとんどですのである程度はPCが使えることも必要です。
 分析機器の簡単な修理・調整・メンテナンスは自分でできることが基本です。そのためには機械・電気に基本的な知識をつけることも必要です。


 分析という業務では結構広範囲な知識が必要になってきます、得手不得手はあるでしょうが広く浅くに知識経験は必要です。
 その中で、自分の得意分野を深く掘り下げてT字型に経験を作っていくことで、最終的には技術士資格の取得も見えてくると思います。
私の場合は自分のやりたい仕事をイメージして、必要な資格・スキルを拾い出してどうやったら取得できるか考えて実行していけるそんな人になりたいと努力しています。



(おかめ様   2007.02.08掲載)


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